【招聘状サンプル有】中国観光ビザ(Lビザ)の申請方法

2023年5-6月時点では中国のビザ免除措置が再開されておらず、ビザ不要の香港&アライバルビザのある深圳へ訪問したりトランジットビザ免除を使ったりしていたが、諸事情により真っ当(?)なビザが必要になったため、中国の観光ビザ(Lビザ)を申請することした。

2023年3月14日に中国の各種ビザ発行が再開されてまだ2か月。ビザ発行の情報がなかなか出回っていない中、手探りで観光ビザの申請をしてみたので、その手順を記録しておく。

 

 

中国ビザ申請の全体の流れ

  1. ビザ申請に使用する証明写真(画像データ&印刷写真)を準備する
  2. 中国ビザ申請サイトでオンライン申請
  3. 中国ビザセンター窓口の日程を予約
  4. 中国ビザセンターに行ったけど航空券がないとダメで門前払い
  5. 中国ビザセンターに再度行ってビザ申請
  6. 中国ビザセンターに行ってビザ貼付済パスポートを受け取る

※中国ビザ申請サイトは大阪東京名古屋で分かれているため間違えないよう注意。この記事は大阪ベースで書いている。

ビザ申請に必要な費用はこちら。ただしビザ申請時に請求された金額と微妙に違う...謎。

 

まずは証明写真を準備する(いきなり面倒くさい)

中国のビザを申請する際はまず中国ビザ申請サイトで「オンラインによる申請表」を入力・送信して、その後実際にビザセンターの窓口に行ってビザ申請を行うという流れになる。

そしてこの「オンライン申請表」を入力しようとすると、一番初めにぶつかる障壁が証明写真である。

001.png

↑一番初めの「第1部分」でいきなり証明写真のアップロードを要求される。

公式の規格詳しい解説を見てもらえばわかるが、かなり厳格に規格が決められており、規定外の写真は一切受け付けられないことになっている。

002.png

写真屋に行ってプロに撮影してもらうのが一番だが、自分で用意する場合はスマホやカメラで撮影した画像をWeb提出時の寸法規定(ピクセル単位でサイズ指定あり、ファイルサイズ規定もあり)に従ってリサイズする必要がある。

またオンライン申請が終わった後、ビザセンターに行って窓口で申請する際はプリントした写真を持っていく必要があるが、この写真もmm単位で寸法の規定があるため、自前で用意する場合はかなり注意する必要がある。

 

自分でプリント写真を用意する場合

プリント時のサイズ規定も異常に厳しいため、自分で写真を用意するならFreeDPEというサービス(600円)がオススメ。

  1. 自分で撮った写真をアップロード
  2. ビザ向けにサイズ&背景加工
  3. コンビニプリント番号発行

までやってくれる。コンビニプリント代は実費(1枚30円)のみ必要。

スマホで写真を撮ってアップするだけで面倒なサイズ合わせを半自動でやってくれる。コンビニに印刷しに行くだけでいいのでとても簡単。

ちなみにスマホで自撮りする場合、インカメは広角レンズのせいで耳が隠れがちなのでアウトカメ推奨。顔に影が入らないようライティングも意識しよう。

FreeDPEは画像ダウンロードもできるので自分でL判サイズ印刷もできるし、課金後は1週間使い放題(背景色の白色への塗りつぶしは15回まで)なので、中国ビザ申請に限らず証明写真を使う予定がある場合は課金期間中に何パターンか用意しておくといいかもしれない。

 

どうしても規格に合った写真データが用意できないときは...

ちなみに、オンライン申請で写真をアップロードした時「写真が規格に合っていない」と怒られた場合でも、繰り返し3回アップロードし直すと「窓口に来るときにはちゃんとした写真を出してね」と表示されて許される(次に進める)。

オンライン申請時点で規格に合った写真データが用意できない場合や、とにかく急いでいる場合はとりあえず不適合写真でも3回アップすればゴリ押しでオンライン申請と窓口予約まで進むことができ、窓口へ行く時までにちゃんとしたプリント写真を用意すればOKということになる。

ビザ申請時に窓口で提出したプリント写真をチェックされ、アップロードした写真と異なる場合はプリント写真をスキャンしてそのデータを使ってくれるようだ。

 

オンライン申請表を入力する(かなり大変...)

写真の準備ができたら、中国ビザ申請サイトでのオンライン申請表の入力を行う。

入力内容が非常に多く、名前、写真、パスポート情報、学歴、職歴、申請するビザの種類、家族構成、旅程、招聘者情報、緊急連絡先、過去3年に中国に訪問した履歴などなど、かなり事細かく入力が必要になる。

途中で入力内容の保存が可能なので、細かく保存しながらコツコツ入力していくのがいいだろう。

あと漢字は入力できるけどひらがなカタカナは入力できないので注意。アパート名がカタカナの場合はアルファベットにするなど工夫が必要。親族の氏名がひらがなの場合はどう頑張っても入力できないので、アルファベットで記入することになる。

具体的な記入方法については、下記サイトが非常に参考になったので紹介しておく。

 

オンライン予約

オンライン申請表の記入と送信が完了したら、完了時に表示される申請番号を保管しておき、その番号でビザセンターの窓口を予約する。

時期によって混雑状況は異なるが、私が申請したときは1か月半ほど先の日程しか空いていなかった。

平日しか空いていない上にかなり先しか予約できないのが辛い所だが、後でキャンセル可能なのでできるだけ早い日程で予約してしまった方がいいだろう。

予約ページを何度も再読み込みしていると時々キャンセルで席が空くらしいので、急いでいる人は粘り強くキャンセル待ちしてみるといいらしい。

予約が完了したら予約表のPDFをダウンロード&印刷して申請書類と一緒にビザ申請時に持参する必要がある。

 

ビザ申請時に持参するもの

中国の駐日本大使館によると、ビザ申請時に必要なものは下記のとおり。

(一)共通申請書類
1、オンライン記入した「中华人民共和国签证申请表」;
2、パスポート原本及び写し;
3、日本に居住する第三国申請者の場合:在留カード、日本上陸許可または日本査証及び入国証印;
4、元中国籍を有する場合:
   ① 初めてビザ申請を行う方:旧中国パスポート及び帰化証明書;
   ② 過去にビザを取った方:旧中国ビザ。
5、証明写真1枚。
(二)各種ビザにおける申請書類(詳細はこちら

L(観光) 観光の目的で訪中する方
下記のいずれかの書類をご提出下さい:
◎往復航空券とホテルの予約表;
◎中国国内の関係機関または個人が発行した招聘状※1 個人が招聘状を出す場合にはその招聘人の中国身分証(表裏)の写し
◎クルーズ船で訪中する場合は、その日程表。

オンライン申請完了時にダウンロードした申請書と予約表のPDFを印刷して持っていく。

パスポート原本を持っていくだけでなく、パスポートの写真ページのコピーも必要なので忘れずに。

プリントした証明写真も1枚持っていく必要がある。

ちなみに、ビザセンターにはコピー漏れや写真不備の時のためにコピー機や証明写真機が置いてある。

「このページのコピーを取ってきてね」とか「この写真じゃだめだから撮り直してきて」と言われたときにその場で対応できるよう、現金を硬貨で持参しておくといいだろう。

 

ビザ申請時に航空券は必ず必要なのか

追記2:大阪では航空券は必須と言われたので注意!

各種サイトやTwitterで検索してみると、ビザ申請時に航空券やホテル予約の提示が必要だったという書き込みと、不要だったという書き込みがある。

これはおそらく招聘状の有無によるものだと思っていて、招聘状がある場合は不要で、招聘状がない場合は旅程が確定していることを証明するために航空券やホテル予約が必要ということなんだろう。

中国ビザ申請サイト(visaforchina.cn)の日本語PDFでは、ビザ申請時の必要書類がこのように書かれている。

(中略)
●航空券(E-チケット控え)コピー
●下記のいずれか
①ホテル手配確認書
②中国国内機関発行の招聘状(FAX・写し可)
③中国在住者発行の招聘状(FAX・写し可)と発行者の身分証明書両面コピー(中国人)/パスポート、中国滞在証明の写し(外国人)
※招聘状の内容
☆申請人の名前、性別、国籍、生年月日等
☆申請人出入国日、観光地等
☆受け入れ先名称、連絡先、住所、社判、取締役代表者氏名の記名あるいは招聘人の署名

この書き方だと航空券は必須で、加えてホテルの予約確認書 or 招聘状が必要と読めるが...。

ただ、上で紹介した中国の駐日本大使館の情報や、大阪領事館のお知らせの中にあるPDFに書いてある内容を読むと、Lビザ申請時に必要なものは下記の通り...

提供以下材料之一:
◎往返机票和酒店订单 ;
◎中国境内单位或个人出具的邀请函※1。个人出具邀请函,需提供邀请人身份证件复印件。
◎乘船赴华旅游人员,需提供行程单。

航空券+ホテルの予約確認書 or 招聘状 or クルーズ船の日程表でいいことが分かる。領事館が原文で発表している最新資料なのでこちらが正解だろう。

なので、現地に知人がいる場合は招聘状を書いてもらい、そうでない場合はホテルや航空券の予約票が必要と考えられる。

(ビザセンターによって対応が異なる可能性もあるので注意)

 

追記2:大阪センターでは航空券は必須と言われた

ということで航空券は取らずに招聘状を持って大阪ビザセンターに行ったが「チケットがないとビサ貰えないよ」と門前払いされてしまった。

上記の大使館PDFを印刷したものを提示したが「それはどこの情報?」と聞く耳を持たず(おたくの国が出している一次情報だよ)。

念のためビザセンターの「具体的手順」に書かれているこのページ↓を印刷して持って行っており、

004.png

航空券やホテル予約表などの日程に関する書類、あるいは中国国内の関係機関、関係者が発行する旅行招待状。

という文言も見せたが「それどこのセンター?東京でしょ?」とか言い出す始末...(おたくの大阪センターが出してる情報だよ

自分とこの情報すら把握していない職員...「これぞ中国!」ってな体験でワクワクしちゃった。

情報の整合性とか正確性なんてクソ喰らえの国なので、一次情報が何だろうが現場がダメと言っている以上はダメなんです(諦め)。

「ほんなら航空券取ってまた来ますわ」と言うと来週末まで保留にしてくれた。予約を取り直さなくていいのが救い。

2次ビザを申し込むので、二回分の航空券の予約表が必要とのこと。

 

しれっと紙を持っていった職員・・・

でもあの職員、私が提示した大使館PDF&ビザセンターWebの紙をちゃっかり持って行ったので、後で読んでくれてるんじゃないかな(じゃないと怒るぞ。というか返せよ。人のものを無断で持っていくなw)。

たぶん大阪ビザセンターでは2017年の基準のまま仕事をしているのだろう。6年前だぞ?その間一度たりとも変わっていないと本当に思っているのか?思っているんだろうな。お目出たいことだ。

「理由があって旧ルールのまま運用しています」という話なら(納得はできないけど)まだ理解できるんだが、つい最近に自国の領事館が発表した内容を知ってすらいないというのは何とも残念な話だ。まぁ中国らしいと言われればその通りで何も言い返せないのだが。

 

招聘状(招待状)のサンプルを探す

さて、現地の知人などに招聘状(招待状)を書いてもらうとなると気になるのが招聘状のフォーマット。

商用ビザ用の招聘状サンプルはこことかここにあるのだが、観光ビザとなるとここぐらいしか見つからない。

上で引用したように、招聘状には厳格なフォーマットが決まっておらず、定められた内容さえ記載されていればいいということなんだろう。

※招聘状の内容
☆申請人の名前、性別、国籍、生年月日等
☆申請人出入国日、観光地等
☆受け入れ先名称、連絡先、住所、社判、取締役代表者氏名の記名あるいは招聘人の署名

とはいえ何か決められた書式がないものか...と検索していると「中国語版のサイトには招聘状の書式がある」という書き込みを発見。

もしや...と思いGoogleで「site:www.visaforchina.cn 邀请函」と検索してみると、日本以外の各国のページに招聘状(中国語で"邀请函")のpdfがアップロードされているではないか。

003.png

各国、各センターで独立してファイルをアップロードしているようで、同じようなファイルがたくさんヒットするしフォーマットも色々あるので迷ってしまうのだが、観光ビザであれば「(适用于申请 L/S 字签证/ Valid for L/S Visa)」と書かれているものであれば間違いないだろう。例えばこれとか。

このPDFは入力可能になっているようなので、

  1. PDFを送って招聘人に入力してもらう or こっちで入力して保存したPDFを送信
  2. 向こうで印刷して手書きで署名してもらう
  3. スキャンしてデータ送ってもらい印刷 or 原本を郵送してもらう

ことで招聘状を準備することができる。

招聘状は基本的にはファックスや印刷したものでいいが、場合によっては原本が求められる場合もあるらしい。

三、注意事項
(一)招聘状はファックス、コピーあるいはプリントしたものも使用可能ですが、領事官員が原本の提出を求める場合もあります。中国国内の個人が発行する招待状には、身分証のコピーを添えてください。
(二)申請情況によっては、領事官員が他の証明書類や追加書類、又は申請者との面談を要求する場合があります
(三)申請者の具体的申請内容によって、領事官員がビザ発給の可否、ビザの有効期間、入国回数および滞在期限を決定します。

また招聘人が個人の場合は身分証両面のコピーも必要なので忘れずにもらっておく必要がある。

追記1:結局2次30日の観光ビザを申請することになり、上記で紹介したPDFでは足りない(1回分の旅程しか記入できない)ためWordで自作することに...。

上で紹介したこちらのサンプルをベースに、旅行社が公開している各種ビザの記入例を参考に簡潔に作成した。

参考にした各種ビザ記入例のリンク:邀 请 函 q290m.pdf 邀请函 邀 请 函 M査証用招聘状サンプル.pdf CH_invi_sample.pdf

 

ビザ申請日当日

ビザ申請の当日は、遅くても予約日時の10分前にはビザセンターに着くよう予約表に書かれている。

時期にもよるが大体いつも混んでいるらしいので、予約時間にかかわらずできるだけ早く行った方がいいだろう。

(この章は実際に窓口に行ってビザ申請をしてから追記する)

追記2

午後2時の予約だったので10分前ぐらいに行って整理券をもらうと前に12人並んでおり、30分ぐらいで順番が回ってきた。

時間帯にもよるんだろうけど、大阪センターはそんなに混んでないみたいで助かった。

書類に致命的な入力ミスがあり焦ったけどその場でボールペン訂正OKだったのでこれも助かった。

が、申請手続き自体は上述のとおり「航空券がないとダメだよ」と門前払いされたのですぐ終了。

急ぐ人が多いからか「今日中にチケット取ってくる?営業時間内に来てくれたらいいよ」と言われたけど、焦って変な航空券を予約したくなかったので「後日また来ます」と伝えておしまい。

ネットで窓口訪問日を予約する時に印刷した「予約表のPDF」を表紙にして申請資料を渡したのだが、その表紙に鉛筆で「D补 x月x日まで保留」とメモ書きをして返してくれた。

追記3:

2次ビザ申請なので2回分の往復航空券を予約し、eチケット(旅程表)PDFを印刷したものを持って再度ビザセンターを訪問。

受付で「先日来たけど資料が足りなくてまた来ました」と言うと「补资料」とメモ書きされた整理券を貰えた。

初回申請時(追記2のとき)は「V0065」みたいな整理券番号だったけど、今回は再申請だからか「D00**」だった。ちなみに受け取りは「F00**」。

005.jpg

大阪センターの様子。ビルの一室に入ってるためそんなに広くない。

窓口が全部で6つあり、Fに1つ、Dに1つ、Vに4つ割り当てられている感じ(変動しているかも)で、Dは母数が少ないのか10分ぐらいで順番が回ってきた。

資料一式を提出すると「こんなに航空券はいらないよ」と2回目の旅程表を返却されそうになったので「2次です、ダブルを申請したいんです」と言うと、ようやくちゃんと資料を見てくれた。頼むから手元にある文字を読んでくれ~。

デザインが酷くてクソ読みづらいことで有名な香港航空の旅程表と、なぜか都市名を省いた空港名を表示するTrip.comの旅程表に悩まされるオバちゃん係員には内心謝りながら旅程や日付を説明したら5分ぐらいですんなりOKが出た。

「x月x日以降に受け取りに来てください。ダブルなので1万500円です」と受取票を渡されて終了。やったぜ

(申請ができても領事判断でビザが下りない可能性はあるけど)

追記4:

大阪では2024年5月22日から東京では2024年5月28日から、ビザ料金が申請時の前払いになるとのこと。

東京はクレジットカード(VISA、MasterCard、銀聯、JCB、American Express、Diners Club)が使用可能。大阪は記載がないため不明。

 

ビザの受け取り

ビザの受け取りは基本的には申請したビザセンターの窓口に取りに行くことになるが、オンライン申請時に「郵送で受け取り」という選択肢があったため、そちらを選んでみた。

中国ビザ申請センター(大阪)では、発行された認証済み文書を郵送で受領することができます。
先日、窓口にそのような表示がされているのに気付いたのですが、これまでにもあった取扱いなのか、それともコロナ対策としての新規サービスなのかはわかりません。
特に遠方の申請者にとっては、受取りのために再度訪問する必要がなく、便利なサービスかと思います。
郵送返却の料金は、手数料¥2,750、送料¥1,650とのことで、高めです。

中国ビザ申請センター(大阪)郵送での返却 | 法務・翻訳事務所オーロラ

こちらの記事によると、大阪のビザセンターは郵送に対応しているらしい。

費用は結構高めだけど、申請と受取でそれぞれ2日も平日に時間を取るのが難しい人にはありがたいサービスでは。

ただ、ビザ申請料金の支払いは窓口でビザを受け取る時に支払うはずなので、郵送受け取りにした場合はどのタイミングで料金を支払うのか気になるところ。

追記3:

ビザセンターで申請時に「郵送で受け取れますか」と言うと「やってません」と言われた。終了。

ただでさえ申請に2日も平日を潰されたのに、また受け取りのために平日休みを取らないといけないのは面倒だなぁ(仕方ないけど)。

受取票さえ持っていけば本人以外でもいいみたいなので、代理を立てるのもありだろう。

 

以下、参考にしたツイート

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