深圳特区旅遊ビザ(特区旅游签证)の存在を知る
さてこれで香港行きの準備はOK、と思っていたらこんな記事を見つけてしまう。
なんと深圳市内に限り5日間のアライバルビザ(VOA)があるらしい。
ビザの正式名称は深圳特区旅遊ビザ(特区旅游签证)。英語では"Shenzhen Special Economic Zone (SEZ) Tourist Visa" とか"Shenzhen 5-Day Visa"というらしい。
確かに1/29にアライバルビザが再開されたと発表はあったが、当時はこのビザの存在を知らず「ビザ免除じゃないのか~」と流してしまっていた。
このアライバルビザ自体は結構昔からあったようだが、日本人はコロナ前までビザ免除措置があったから使う人は殆どいなかったのだろう(ビザ免除措置制度が開始する前は使ってた人がいたらしい)
アライバルビザで深圳に入りたい...!
行けるなら行きたい。ということで、何とか深圳を旅程にねじ込もうと画策を始めた。
と言っても予定はもう決まってしまっているので、深圳に入れるとすれば初日の一泊だけ。
香港エクスプレスなど比較的安いチケットは午後発で夕方着が多いのだが、アライバルビザを発給している入出境査証事務所の営業時間が9:00~16:30なので安チケットでは当日中に深圳に入れない。
香港に着いたらその足でアライバルビザをもらってすぐ深圳に行けるよう、朝イチの便を取ることにした(キャセイパシフィック高かった...)
アライバルビザの罠
朝イチで飛び立って13時頃に香港に着く便が予約できてホクホクしていたのだが、驚愕の事実が発覚。
上記サイトのコメント欄によると、14:30の時点で受付が終わっているとの情報が...。
羅湖口岸査証申請事務所14:30到着、申請しようとしたが、整理券発行機に「No Number」と書かれていたので、「整理券ください」とお願いすると、「受付不可」と。
(中略)
特区旅遊ビザはあるのかもしれないが、事務所営業時間16:30までの中、14:30に行っても申請不可となるような曖昧な制度なら、制度として使えるメリットは低い。また、香港に戻るのに合計1.5時間の待機時間まであるのなら、リスクが高すぎると感じました。報告まで。
13:00香港着、空港を出られるのが13:45頃、羅湖口岸まで1時間程度...この時点で14:30を超えてしまっている。
その後、なんなら午前中にもう受付終了しているという情報まで入ってきて絶望。
どないすんねんこれ...。困った。
アライバルビザの取得ルートを考える
先ほどのサイトによるとアライバルビザに対応しているらしい中国側の口岸は下記4つとのこと。
宝安国際空港は深圳の空港なので深圳の直行便に乗らないと到達できない(しかもビザ発給してるか未確認らしい)ので却下。
羅湖口岸は上述のとおり時間的に間に合わないので却下。
皇崗口岸は車で通過しないといけないらしく難易度が高め。
蛇口口岸はフェリー専用。
この中で一番確実なのは蛇口口岸だろう。
香港国際空港のサイトによるとCSKという会社のフェリーが香港空港→蛇口口岸を運航してる。
ただ13時に香港に到着した後、近い便が15:00出発しかなく、所要時間+30分で最短15:30に着く計算に。
この時間だと間に合うかちょっと微妙では?と調べているとまた新たな事実が...。
フェリーと入国ルートの話
香港空港から蛇口口岸へのフェリーに乗る場合、驚くことに、空港へ到着した後に香港への入境審査へ向かわずにそのままフェリー乗り場に向かうことになるらしい。
言い換えると、空港から蛇口へのフェリーに乗ると香港に入らず直接深圳に入ることになる。
冒頭に書いたように、4/1以降は香港への入境はノーチェックになったのだが、日本から中国へ直接入国する場合は依然としてPCR検査の陰性証明が必要(※追記あり)。しかも紙で。
うわーめんどくせえ、と思うもアライバルビザのためには背に腹はかえられない。
受託手荷物とフェリーの話
もう少し調査を続けているとまた新たな問題が。
受託手荷物を預けた状態で香港に到着した場合、購入できるフェリーのチケットは90分より後に出航するのものだけらしい。
「どうして???」と思ったら、受託手荷物を飛行機からフェリーへ移送するのに1時間ぐらいかかるらしいのだ。
通常香港へ入境する場合は、飛行機が空港に着いたら香港の入境審査を通過した後に空港のターンテーブルで受託手荷物を受け取るが、フェリーに乗る場合はそもそも入境審査まで行かず直接フェリー乗り場へ行くことになるため、ターンテーブルで荷物を受け取ることができないと。
じゃあ荷物はどうなるのかというと、飛行機から直接フェリーに運ばれる。だから結構な時間がかかるということらしい。
飛行機が13時に着いて15時のフェリーに乗るまで2時間もあって結構時間に余裕があるように感じるが、この90分ルールがあるため実はあんまり余裕がないということになる。
ちなみに、受託手荷物がない場合は30分後からチケットが買えるらしいので、取れる飛行機の中で最も早い12時香港着の便に変更して到達後30分以内にダッシュしてチケットを買えば13:00時のフェリーに乗れなくはない。ギリギリすぎて多分無理だけど。
皇崗口岸のルート
もう一つの皇崗口岸について調べてみると、こちらは車で通過しないといけない分だけ自由度も高そうだ。
通常はバスを乗り継ぐか「スカイリモ」と呼ばれる乗合タクシーで皇崗口岸まで行くことが多いらしいが、金にものを言わせてタクシーを呼んで行くこともできるので、時間との闘いになるのであれば皇崗口岸ルートの方がいいかもしれない。
なお、スカイリモで行く場合はこちらの記事が参考になる(※乗り場はターミナル1に変更されている)。
値段は150HKD/130CNY(クレカOK)、所要時間は約45分とのこと。
13時香港着、空港を出られるのが13:45とすると、そこから+45分で最短14:30には着くことができそうだ。
(乗合タクシーなので定員が集まるまで待つ必要があり、あくまで最短)
羅湖に比べて皇崗口岸はまだ余裕があるようで、午後でもアライバルビザが取れた報告もあるため少し安心。
ただGWは人が増えて道路も混雑しているだろうし、他の口岸でダメだった人が流れてくることを考えると、皇崗も第二の羅湖みたいになる可能性はある。あまり楽観できないな...。
結局、蛇口口岸か皇崗口岸か
未だに答えは出ていない。
時間でいえば皇崗口岸の方が早く手続き開始できるが、羅湖からアライバルビザ申請者が流れてきたらこちらも早々に締め切ってしまう可能性がある。
蛇口口岸はフェリーの時間が微妙で、事務所が閉まる1時間前に手続き開始となり時間的に不安なのと、直接中国に入るということで手続きの違いがありそうで不安要素が残る。
どちらも一長一短なので、ひとまず他の情報を収集しながら結論を出したいと思う。
PCR陰性証明の話
蛇口口岸ルートの時にも書いたが、日本から中国に直接入国する場合は中国側の水際措置として紙のPCR陰性証明書(48時間以内)が必要になる。
(追記)2023年4月29日から中国入国時はPCR検査の代わりに抗原検査でOKになった模様。
2023年4月29日をもちまして、中国へ渡航する際、PCR検査の代わりに、出発時刻から48時間以内に抗原検査を実施することが可能になりました。今後、航空会社による検査報告書の確認はなくなります
中国へ渡航する際の防疫対策について (2023年4月25日更新) - 中華人民共和国駐日本国大使館
原文を読むと「登机前48小时内抗原自测替代核酸检测」とあるので、自主検査でいいみたい。
チェックイン時の航空会社の確認もなくなるので、抜き打ち検査以外は実質ノーチェックになることに。
記事冒頭で紹介した2023年3月時点での香港の自主抗原検査みたいな扱いになるのかな。
(追記終わり)
じゃあ香港から中国に入る場合はどうかというと、香港政府のコロナ対策ページに以下の記載がある。
香港から中国本土へ渡航される方(3歳以下の方を除く)で、香港から中国本土へ渡航する前7日以内に台湾または海外に滞在された方は、中国本土の要請により渡航前48時間以内に核酸検査を受け(当該地域の中国大使館・領事館が発行する「旅行者における感染症の予防と管理に関するガイドライン」で別途指示がある場合は迅速抗原検査の代わりに)陰性となる必要がございます。(機械翻訳)
重要なのは太字の部分。直近7日間で香港外からやって来た人は該当するため、私も48時間以内のPCR検査結果が必要になる。
(結局PCRの陰性証明は必要なのか...)
ただ「紙で」とは書かれていない。実際スマホ画面で検査結果を見せればOKだったという報告もあるので、そこはちょっと助かる。
48時間以内にPCR検査→香港へ渡航→深圳へ移動を行うのは時間的に結構タイトな上、PCR検査結果はメールで受け取る場合が多く、紙にプリントアウトする余裕がなかったりするので。中国側で求められるかもしれないから出来るだけ紙で持っていきたいけどね。
PCR検査証明に加えて健康申告QRコードも必要
香港を経由するかどうかにかかわらず、中国入国の際は「中国税関出入国健康申告」の事前申請とその結果を示すQRコード提示が必要になる。
これはWeChatミニプログラム「海関旅客指尖服務」、アプリ「掌上海関」またはWeb「出入境健康申报」から可能とのこと。
具体的な手続き方法についてはこちらを参考にしてほしい。
一度申請すれば次以降は前回入力した内容を引き継ぐことができるため、出発前にひとまず1回入力しておくことをお勧めする。
地味に入力項目が多いので、現地に着いてから一つずつ入力するのは結構手間がかかる。
そのため、先に入力情報の保存のために1回申請しておいて、中国へ向かう直前に再度申請してそのQRコードを提示するのがいいだろう。
どこでPCR検査を受けるか
(追記)繰り返しになるけど2023/4/29以降は抗原検査でOKになってます。
結局PCR検査は必要ということが分かった。次の問題は「どこで検査を受けるか」。
中国渡航向けのPCR検査機関はたくさんあるが、たいてい1万円から1.5万円ぐらいする。たけぇ。
そんな中でひときわ輝いて見えるのが安価と信頼の木下グループ。
場所にもよるがPCR検査が約2500円で済むうえにパスポート番号を入れるのも+1000円。
(パスポート番号はできればということなので無くてもいいのかもしれないが、念のため)
ただ、一番近いPCR検査場では15時までの検査で翌日中、15時以降なら翌々日中に検査結果が出るという。
前日の15時前に受けたとしても結果が届くのが当日の夜になっちゃったら話にならない。
前々日の15時直前に受ければ前日中に結果がもらえるが、当日15時までに深圳に入らないと48時間の期限を超えてしまう。結構ギリギリだ。
...前日に空港まで行くことに
仕方なく他の検査場を探したところ、空港併設の検査センターであれば15時までの検査で当日中に結果をくれるらしい。
空港までまあまあ距離はあるが背に腹は代えられない。
フライト前日の朝イチで検査を受け、その足で出勤し、帰宅する頃には検査結果が出ているはずなので念のため印刷して持っていくことにする。
フライト当日も朝早いのに前日も同じぐらい早起きしないといけないのはなかなか辛いが...。
Visit Japan Japanとワクチン接種証明
最後に帰国時の手続きについてだが、5/8以前に入国する場合はVisit Japan WebというWebサイトから事前手続きが必要になる。
私はワクチン4回接種済みなので、事前手続きとしてワクチン接種証明書をアップロードする必要がある。
この証明書は接種証明アプリから画像形式で保存することができるため、それをアップロードした(念のため紙にも印刷して持っていくつもり)
健康申告QRコードと同様に早めに申請できるので、出発前の時間に余裕があるうちにに入力してしまった方がいい。
日本到着の6時間前までに申請する必要があるので忘れずに手続きしておこう。
※なおこちらに記載があるように、GWを過ぎたら必要なくなるらしい。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更される令和5年5月8日以降に入国される方については、有効なワクチン接種証明書又は出国前検査証明書の提示が不要となります
GW中に帰ってくる予定なのでギリギリまだ必要ということになる。
ということで
久々の渡航ということもあり、出発直前まで色んなことでドタバタとしてしまっている。
コロナ対策での手続きの煩雑化+現地の状況がコロコロ変わるため、なかなか予定を立てるのが難しいのが現状だ。
実際に行くまでは何が起こるか分からないが、帰ってきたら体験談を加筆したいと思う。
→実際に特区旅遊ビザで深圳に行ってみた
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