[2023年5月]特区旅遊ビザで香港から深圳へ入境した

009.jpg

2023年のGWに香港を訪問するにあたり、SIMカードやホテルの準備を行い、そして深圳にも行くためにアライバルビザを取得する方法を調べた。

これらの情報をもとに実際に香港を訪問したわけだが、深圳に入るためのアライバルビザである「深圳特区旅遊ビザ」で香港から深圳に入ることに成功したので、今回はこの部分について詳細を記しておく。

全体の旅程としては日本→香港→深圳→香港→日本という流れだった。

ちなみに「中国入国時のPCR検査が不要になる(セルフ抗原検査でOKになる)」前日の出来事だったわけだが、大陸側でも香港側でもPCR検査結果を求められることは一度もなかった。

 

 

事前情報

以前の記事にも書いた通り、深圳の特区旅遊ビザを取得する上で最も困るのは「受付が終了してしまいビザの発給を受けられない」こと。

地下鉄で移動できる羅湖口岸は一番人気ゆえ、朝イチで並ばないといけないぐらい時間との戦いになる。

そのため、香港に着いてからビザを入手するまでは常に焦りながらの移動となった。

 

空港に着いたらまず香港ドルを入手...オクトパスは諦めた

香港国際空港に到着したら、焦る気持ちを抑えてまずは香港ドルを入手する。

現金は何かと入り用になるので、すぐ深圳に向かうとしても入手はしておきたい。

ATMを探して到着ロビーをうろうろするが外貨両替用のATMしか見つからず、ようやく見つかったcitibankのATMは「手数料15ドルかかります」と表示され操作を中止。

結局Arrival Hall A出入口とB出入口の間にある階段の裏側(隠れていてぱっと見てわからない位置)に中国銀行のATMが並んでいたので、クレカキャッシングで現金を引き出した。

オクトパスカードの自販機も見つけたが、5,6人は並んでおり時間が惜しかったのでスルーして深圳に向かうことに。

 

深圳に向かう(香港空港→スカイリモ→皇崗口岸)

深圳に行く方法はいくつかあるが、前回の記事で紹介した方法のうち、最も成功率が高そうな皇崗口岸から深圳に入ることにした。

皇崗口岸は車で通過する必要があり、バスを使うのがリーズナブルで一般的のようだが、今回は最も早く行けるであろうスカイリモ(乗合タクシー)を選択した。

スカイリモに乗るには到着ロビーにあるカウンターでチケットを買う必要がある。

着陸後、香港への入国審査を済ませてスーツケース等の荷物を受け取ると、到着ロビー(T1の「接機大堂」(Arrival Hall))に出ます。
到着ロビーに出たら左に向かってください。Arrival Hall「A」のエリアにSkylimoのカウンターがあります。
【News】注意!香港国際空港の深セン行き相乗りリムジン「Skylimo」カウンター・乗車位置が変更に

↑の通り、到着ロビーに出たら左奥の位置にカウンターがある(上記サイトと風景は変わっているが位置はだいたい同じ)。

到着ロビーに着いてすぐ左を向くと巨大スクリーンがあるのでそちらの方の進むと右手に5つ並んだカウンターが見える筈だ。

001.jpg

↑到着ロビーに着いて90°左を向いた時の写真。

巨大な透明スクリーン(SAINT...の文字)に向かって右奥にM01~M05まで5つのカウンターがある。

010.jpg

このうち、右端の2つ(M04とM05)がスカイリモのカウンターだ。

もしかしたら他にも会社があるのかもしれないが、見つけられなかった。

 

どちらの会社を選んでもいい

2つ並んでいるカウンターはそれぞれ別の会社。競合が隣り合わせということで客引き合戦も熾烈。

011.jpg

私が行ったときはM04が激込みでM05は閑散としており、仕方なく空いている方のオバチャンに「皇崗口岸 什么时候出发?」と聞くと「马上」との返事。

中国人の「马上」は信じるなと言われて育った(誇張)ので「马上?什么时候?」としつこく食い下がるも、カウンターのオバチャン達は「はよしなはれ!」と言わんばかりに「现在!」と連呼するので思わず150HKDを渡してしまった。

そしたら「はよ行け!走れ!」と言われて本当に走る羽目に。どうやら本当にすぐ出発する便があったようだ。疑ってごめんオバチャン。

002.jpg

↑参考までに今回利用したスカイリモのレシート。

 

3列シートのミニバンに乗り込み出発

利用した方の話によると、カウンターだけでなく乗車位置も変更になっているとのこと。
途中でエレベーターに乗り、エアポートホテルの地下で乗車するようです。(スタッフが先導してくれます)
【News】注意!香港国際空港の深セン行き相乗りリムジン「Skylimo」カウンター・乗車位置が変更に

↑の通り、スタッフの誘導のもと地下の駐車場まで急ぎ足で向かうと、中国人の若い男女4人組が既に車内で待っていた。

完全にアウェイだが待たせるのも悪いので急ぎ乗り込む。運転手に「パスポートを渡せ」と言われたので渡したら出発。

GW期の香港の気温は日本より10度ぐらい暑く、車まで走ったこともあり汗だく。45分ほどで高速道路の料金所のようなところに着いた。

003.jpg

↑高速道路メインなので結構なスピードで荒い運転だが目的地には無事到着することはできた。

 

香港側の出境手続き

料金所のようなところに着いたらドライバーがパスポートの束を係員に渡す。

そういえばパスポートには香港入境時に貰ったスリップも出国カードも挟んだままだった。失くされないだろうか。

なんて考えていたら係員がパスポートに書かれた名前を順番に呼び、本人確認をし始める。といっても一人ずつ顔を見るだけだが。

全員分が終わったらドライバーがパスポートの束を受け取り出発。しばらくしたら皇崗口岸に到着した。

 

皇崗口岸のビザオフィスに向かう

車を降りてパスポートを受け取ったら皇崗口岸の建物に入る。

004.jpg

入るとすぐ改札のようなゲートが複数あり、スマホの健康申告QRコードをかざして通過する。

皇崗口岸まで来ると香港SIMの電波はほとんど入らず、手持ちの中国SIMはなぜか認識されなくて焦った。

事前にQRコードのスクショを取っていたのでそれで改札を通過することができた。スクショは絶対取っておいた方がいい(あとQRコードは1回使うと更新が必要なのでそれも注意)

 

健康QRコードの改札を通過後、そのままの流れでまっすぐ進んでしまいそうになるが、すぐ左(フェンスに隠れていて見つけづらい)にあるアライバルビザのオフィスに向かう。

(まっすぐ進んでしまうと深圳への入境審査場に着いてしまうが、まだビザがないのでそっちに行っても通してもらえない)

005.jpg

↑オフィスと言ってもガラス張りの向こうに係員が二人いるだけ。事前に写真を見ていた羅湖口岸と比べるとめちゃくちゃショボい

 

アライバルビザの申込

(ガラスの向こうにいる係員に見られながら)カウンターの上に置いてあるアライバルビザの申込書を書く。記入例も貼ってあるので安心。

裏面にも記入欄があるので注意。署名を忘れないように。

書き終わったらすぐ左隣にある証明写真機(↓オレンジのやつ)で写真を撮って番号が書かれたレシートを取る。

006.jpg

申込書とレシートを係員に渡し、パスポートも求められたので渡したら終わり...と思ったらハプニング。

 

なぜか私のパスポートに他人の「香港入境時に貰ったスリップ」が挟まっていたようで、係員に「これは何だ」と問われる。

「他人のスリップと入れ替わってしまったのか...」と予想外の展開に焦ってしまう。

「入れ替わっていて自分のがなくなっていたら深圳に入境できないのでは...」と軽く絶望しながら「これは私のものではないです」と言うと、次に係員は私のスリップを提示してきた。

ワシのもあるんかい!と思いながら「それが私のだ!」と言うと申請は受理されたようで一安心。

クレジットカードで168元を支払って、カウンター前に2つだけ置いてある椅子に座って待つ。

 

申込者が続々と到着

待っている間に4,5人ぐらい申込者が現れた。

来たばっかりなのに「もう写真はあるから」と証明写真機で撮らず申請しようとしている人もおり、よくよく話を聞いてみると「朝に羅湖口岸に行ったものの受付が終了していたため引き返して皇崗口岸まで来た。羅湖口岸で撮った写真(レシート)を持ってきた」とのこと。やっぱり羅湖口岸は修羅の道のようだ...。

羅湖口岸で撮った写真(レシート)でそのまま皇崗口岸に申請できるのはちょっと驚き。システムは繋がっているのか。

なんてことを考えていたらビザが完成したようでパスポートが返ってきた。念願の特区ビザをゲット。

008.jpg

↑これまでは15日間のビザ免除でしか入国したことがなかったので、初の中国ビザだ。

 

深圳への入境手続き

ビザが手に入れば怖いものはない。先ほどの道をまっすぐ進み、荷物の安全検査を終えると入境手続きだ。

審査員の列に並ぶ直前に薄っぺらいカウンターがあり、そこに入国カード(新しいフォーマットの水色のやつ)があるので記入する。

裏面にも記入欄があるので注意。

審査では旅程を聞かれ「今日香港に着いてそのままここに来た。今日深圳に入って明日香港に戻る」と回答。

手渡したパスポートが更新後の真新しいものだったためか「中国に来るのは初めてか?」と聞かれたのにはヒヤっとした。

というのも「更新直後だとアライバルビザ申請時に旧パスポートを求められ、提示できないとビザ発給を拒否された」という過去の情報があったため。

そこで、質問には「はい初めてです。このパスポートでは。」という狡い言い方をした。

審査員が新人っぽかったため何とか誤魔化せたようだが、一挙手一投足すべて隣のオバチャンの教育を受けながらの審査だったのでかなり時間がかかってしまった。まぁビザさえ貰えればもう時間に追われる必要はないので、焦らずに構えることができたのはよかった。

 

入境審査終了後

審査が終わりスタンプを押してもらえばもうそこは深圳だ。

建物を出ると左右にロータリーがありバス等に乗れそうだが乗り方が分からない。

007.jpg

仕方がないのでそのまま真っ直ぐ歩いて歩道橋を渡り、そこから徒歩で地下鉄の皇崗口岸駅まで向かった。

地下鉄にさえ乗れれば後はどうとでもなるだろう。

と言いつつ、深圳通(交通カード)の買い方を忘れていたり、買えたはいいもののチャージし忘れてて残高ゼロで乗れなかったりハプニングは尽きなかったが(結局WeChatのミニアプリをインストールしてQRで乗車した)。

 

出境はどこからでもいい

出境(香港に戻る)のは皇崗口岸を通らなくてもいいらしい。というかどこから出てもいいみたい。

せっかくなので深圳福田から高速鉄道で香港西九龍駅まで向かうことにした。

外国人は有人カウンターでしかチケットが買えなかったり、改札にパスポートをかざして通れるのか不明だったり(結局通れた)不安はあったものの無事西九龍駅に到着。

駅に着いたらエスカレーターで移動して大陸側の出境審査、香港の入境審査を受けたらおしまい。無事香港に戻ってくることができた。

 

関連情報

ネット上の体験談や情報もかなり増えてきたようで何より。ありがたい。

地下鉄とバスを乗り継いて皇崗口岸を通るYoutube動画は映像付きなのでかなり参考になる。今は皇崗口岸ですらこんなに混んでるのね...。

コメントする