先月からちょくちょく中国へ行く機会があるので、中国訪問時に便利なスマホのSIMカードについて調べたあれこれをまとめておく。
訪中する度に適宜編集・追記しているため、気になる人は思い出したときにでも再訪問してみて欲しい。
→こちらにまとめ直した記事を書いた。
概要
- 今使っている(日本国内で購入した)スマホで使えるSIMが欲しい
- データ通信専用でいい(通話は不要)
- 金盾を回避できてLINEやGmail等が使えるSIMがいい
この3つのポイントを軸に紹介したい。
1.今使ってるスマホがそのまま使えるSIMが欲しい
わざわざスマホを買い直すのもアホらしいので、今のスマホで使えるSIMを探すことにした。
中国の通信会社(日本で言うドコモ、au、ソフトバンク)は以下の3つらしい。
- 中国移動(China Mobile)
- 中国聯通(China Unicom)
- 中国電信(China Telecom)
1つ目の中国移動が一番メジャーだが、使用する電波の周波数帯が日本とは異なり、日本国内のスマホは対応していないことが多いらしい。
そして3つ目の中国電信は(地方によるようだが)ややマイナーなためSIMの入手性が悪いようで、結局2つ目の中国聯通(China Unicom)が良さげという結論に。
ただし、スマホによって対応する周波数帯が異なるため、SIMを選ぶ前に一応自分の機種の周波数帯を確認することをお勧めする。
2.データ通信専用でいい(通話は不要)
日本で言えばLINEやSkype(中国ではWeChatやQQ)の通話サービスを使えばいいので、電話番号は不要。
ホテルの無料WiFiがSMS認証要だったり、シェアチャリなどの現地サービスを使う際に電話番号が必要になることが多いので有った方がいいのは確か。
だが、最近中国では電話番号を取得するのにもパスポートによる実名登録が必須で、事前に準備するのが非常に難しい。
現地に着いてから入手するにしても、外国人対応してくれる店を探したり手続きをする手間を考えると非常に面倒くさい。結局、データ通信だけでいいや、という結果に。
なお、どうしても現地の電話番号も欲しい場合は、(次の「3.金盾回避」を諦めてもいいのであれば)こちらの商品がオススメだ。
値段はやや割高だが、日本に居ながら現地の中国聯通SIMが手に入る上に、パスポートの写真を送れば実名登録まで行ってくれる。日本に居ながら現地SIMが入手でき、使用可能状態まで準備できるのは非常にありがたい。
中国のカードは全て実名で登録しなければなりませんので、今でもパスポートの添付は必要となっております。
Amazon Message Centerを通し、カードの番号、パスポートの写真及び注文番号を当社のカスタマーサポートsupport.jp@lvycom.comにお送り頂ければご登録致します。
金盾が回避できないため今回はパスしたが、現地SIMが必要になる際はこちらのSIMを試してみたい。
3.金盾を回避してLINEとかGmailとか使いたい
中国のインターネットといえば、「金盾」と呼ばれる検閲システムによって通信が監視・ブロックされている。
日本にいる間はどうでもいい話だが、いざ中国に行くとなるとかなり面倒くさい。
FacebookやTwitterはまだいいが、LINEやGoogleの各種サービス(特にGmail)が使えないとかなり不便だし、何かあった時の日本への連絡手段は電話以外にも確保しておきたい。
日本語で調べ物がしたくても検索エンジンが限られてしまうし、サイト自体ががブロックされていること多々あり非常に不便。
(LINEやGoogleが不要なら現地SIMを買った方が安上がりだが、SIMの入手可能性やスマホとの相性など不確定要素が大きくなるため、慣れないうちは日本で買って持って行く方が賢明だろう。慣れたら現地SIM購入にチャレンジしてみてもいいかも)
ということで、この辺の事情をクリアしたプリペイドSIMがこちら。
(商品の変動にあわせて適宜掲載内容を更新しています)
香港の中国聯通が発行しているSIMカードで、
- 中国全土で7日間(最近8日間に増えた)で2GB使用可能。2GB使い切った後も低速モードで使えるようになったとか。
- ローミングで香港を経由するので金盾にブロックされない。
- 周波数帯は日本で買えるスマホなら大抵カバーしているBand1/3。
- (繰り返しになるが)何より事前に日本で買って持っていけるのが良い。
私が購入したときはまだ日本語パッケージのものが出ていなかったため中国語のものを購入した。
複数のマーケットプレイス取扱業者が出品しているため、値段に微妙なバラツキがあるがモノは同じだろう。
私は当時最安値の「株式会社ワイズ・ソリューションズ 」から1290円で購入したが、公式サイトでは更に安く販売しているようなのでお好みの方を。
なお、このSIMには賞味期限がある(だいたい1年ぐらい?)ため、安いからと言ってまとめ買いしすぎない方が良いだろう(後述)。
追記:
長期間利用者向けに、15日で2GB or 30日で3GBまで利用できるものもある。値段は2000円弱。
15日も30日も値段がほぼ同じなので、8日以上滞在する場合はこっちの方がお得。
更に追記:
30日2GBで1280円という最強のSIMが出てきた。イギリスのThreeブランドだが、中身は上で紹介したSIMと同じChina Unicom香港のSIMカード。
2019年3月時点で8日2GのピンクSIMが1020円まで値下がりしているので、約250円差。滞在期間に応じてどちらかを選ぶのが良さそうだ。
更に更に追記:
1.5GB/3GBのデータ量を365日使用できるものが出現!一年間!
アクティベーション後1年間使えるので、毎回使い捨てしなくていいのがポイント。
ただデータ通信量はそんなに多くないので、頻繁に訪中するけどメールとかLINEぐらいしか使わない人向けかな。
香港、マカオ向け:
これまで紹介したSIMは中国本土用だが、香港やマカオにしか行かないのであれば更に安いSIMが販売されている。
周波数帯は上記と同じBand1/3。
ラインナップは紺色の3日900MBと、黄緑色の8日3GB。値段は440~530円程度。
他にも様々な種類のSIMが販売されているが、中国聯通(China Unicom)で実績のあるシリーズなのでこちらが断然おすすめだ。値段も値段だし。
追記終わり。
そして手元に届いたのがこちら
名刺を一回り大きくしたぐらいの紙(二つ折り)のパッケージ。中にはSIMカード本体と、チャージ方法が書いてある紙が一枚。
SIMサイズは通常・micro・nano全対応なのは嬉しい。使用したスマホはmicroSIMだったので一皮むいて使用したが、後にnanoSIMサイズのスマホに買い替えたのでもう一皮むいて使用している。
設定は簡単で、SIMを差した後に「APN設定」を「3gnet」に設定するだけでいいらしい。
現地に着いてからごちゃごちゃした作業をしたくなかったので、先にSIMをスマホに差しておいた。中国本土でスマホの電源を入れると何やら広東語でメッセージが表示されて自動的にAPNが設定されたため、実質何も設定しなくても使えた。
(「ローミングを有効にする」もチェックを入れた気もする...そこらへんは同梱の日本語説明書に細かく書いてあるので参照されたし)
なお余談、6年ほど前に香港経由で深圳に行った時は飛行機内でスマホを(もちろん機内モードで)使えていたが、今は電源を切らないといけないらしく、飛行機内でスマホを出したらえらく注意された。今回使用した航空会社が中国系だったので厳しかったのかもしれない。
※追記:2018年1月より中国系の航空会社でも機内モード可になった様子(参考1 参考2 参考3 参考4)
6年前の訪中時は中国系の航空会社ではなかったのでスマホ利用OKだったようだ。
無事繋がるとこんなSMSが届く。
モザイク処理をしたところが自分の電話番号。あと注意すべきなのは使用期限ぐらいか。ここまで来れば後は7日間2GBが過ぎるまでは自由に使用できる。
チャージしますねん
さてこのSIMの売りはまだあって、途中でチャージもできるようになっている。
追記:コメント欄にて「チャージ分は支払い後8日経過しないと使用できない」とのコメントを頂いた。
当記事の執筆時から仕様が変更されている可能性があるため、購入の際はチャージには期待せず、ぜひ日数に余裕があるカードを選択して欲しい。
また価格的にも、チャージするよりもう一枚買う or 更に日数の長い物を買った方がお得なのでチャージは考えない方が良い。
以下チャージ方法は参考資料として一応残しておく。
こちらの説明に書いてある通りに、www.cuniq.com/tp にアクセスすればOKだ。
SIM本体(または台紙)に書いてある19桁の番号を入力して「充值」をクリック。
クレジットカード(左)かチャージ用カード(右)かを聞かれるので、左を選択して「充值」をクリック。
チャージする金額を指定(デフォルトでは100HKD)し、「確認」をクリック。
なお、任意の金額でもチャージできるが、100HKDに満たない限り使用できないので注意(残高が100HKDを超えると7日2GBが使えるようになるらしい)。
チェックを入れて「確認」をクリック。
赤で囲った3つの中からクレジットカード会社のロゴ画像をクリックすれば支払者情報の入力画面に遷移する。
そこでカード番号やら名前やらを入れれば支払いが完了する。のだが、なぜかうまくいかなかった。VISA/Master/銀聯(三井住友)を全て試したが決済に失敗。
時間が無かったため仕方なく、現地人の銀行口座に100元を突っ込んで、その銀行カード(デビットカード)で決済してもらった。
次に使用するときは余裕をもってチャージしてみて、何とか自分だけでチャージできるようにしたい。
それか、このSIMカードを複数枚持って行くのも手だなぁと。使わない限り約一年間は有効期限があるので買い溜めできるし、現在100HKDは1300~1400円程度なので値段的にも変わらない。
チャージ失敗のリスクは回避できるが、荷物が増えるのとSIM自体を無くすリスクがある。まぁそこらへんはトレードオフかと。
有効期限
このSIMには有効期限が定められており、Amazonの商品紹介欄には、記事の作成当時では「有効期限:2018/12/31」と記載がある。
この日までに開通処理(APN設定をしてネットワークを掴む)をしないと無効になりますよ、という期限である。
一度開通処理を行えば、その日から数えて7日間または2GB使いきるまでが使用期限となる。
なお、使い切っても30日以内であればリチャージ可能のようだ。リチャージ後にまた使い切った場合も同様に、30日間後にSIMが無効になるらしい。
チャージ金額もSIMの値段もそう大差ないので、頻繁に訪中しないのであれば無理してチャージするより新しくSIMを買った方がいいかもしれない。
データ使用量(残量)の確認方法
ググってみたり、AmazonのレビューとQ&Aを中心に探してみたが分からず。
China Unicomのサイトには「*118*35#」をダイアルすればデータ使用量が確認できる旨記載があるが、日本からは確認できないため次回訪中時に試してみようと思う。
念のためダメ元でカスタマーサービスにもメールを投げておくので、判明次第追記したい。
追記:
夜にメールして翌日には返事が来た。
感謝閣下的咨詢,閣下查詢數據用量及有效期,可撥打*118*50#,會收到短訊提示,或請登入http://service.cuniq.com/ 並輸入完整SIM卡卡體上之手機號碼/SIM卡號碼及密碼(PUK),[手機號碼]為SIM卡激活後收到的11位數字ID,[SIM卡號碼]為SIM上的19位數字,而[登錄密碼]為SIM卡上之8位PUK碼。請閣下知悉,謝謝!
番号が「*118*50#」になっているのが不可解だが、やはりダイアルするのが一番のようだ。
なお、Webサイトからでも確認できるそうだが、 http://service.cuniq.com/ はリンク切れでcuniq.comのトップページに戻されてしまうので、残高確認をする場合はこちらのサポートページ(英語無し)から、右側にある「用量查詢」をクリックすればよさげ。
そうすればポップアップが出てくるので、下の画像の通りに入力すれば紹介できるはず(だが、残念ながら手元のSIMは期限が切れていたようで、「有効な電話番号を入力してください」といった旨のメッセージが出て先へ進めなかった)
容量とお値段
最後にどうでもいい話ではあるが、昔はこのSIM、7日間1GBだったことがAmazonのレビューを見ていると分かる。
テキストメッセージぐらいの使用であれば問題なさそうだが、写真や動画のやりとりをする可能性を考えれば2GBまで増量されているのは嬉しい。
しかも、昔は値段が倍以上していたらしい。
コスパも良くて便利でロングランな商品だけど、携帯電話番号への実名制導入やVPNのブロックなど今の中国政府の方向性を見てると、こういう抜け穴的な商品はそのうち廃止されてしまいそうな気もするのだが。
場合によっては各種VPNサービスや、最悪の場合は個人でVPNサーバーを立てる等の方法を考えた方が良いかもしれない。
なお、下記記事では自分でVPNサーバーを立ててみた例を紹介しているので、興味がある方は参考にしてみてほしい。
え 返信
これ中国でリチャージしたんですが、
支払い後8日経過しないと新たなぶんが
使用できないそうです。
短期の滞在では複数枚持ちが
必須ですね。
100hkd損した。
takeru 返信
え、そうなんですか!私がチャージした時(2018年1月時点)は即座に使えたんですが、厳しくなったんですかね…。
最近はこのSIMカード自体が値下がりしてて100HKDより安いので、もう一枚カードを持っていって使い捨てた方が良さそうですね。情報ありがとうございました。