フェニックス(Phenix)という赤と黄色で目がチカチカしそうなmicroSDXCカード。チャイナらしさ抜群のデザインは嫌いじゃない。
そしてとにかく安いのが特徴。
同容量のサムスンEVOPlusと比べると、128GBなら1000円、256GBなら2000円、512GBなら5000円程の価格差がある。
コンピューター、プログラミング、モバイル、ガジェットなどエレクトロニクス分野を中心にネタを提供するウェブサイトです。最近は中国ネタにも注力中。かつてはHWD15向けのAndroidアプリ「HWD15 Status Notifier」を作ってたりしていました。
フェニックス(Phenix)という赤と黄色で目がチカチカしそうなmicroSDXCカード。チャイナらしさ抜群のデザインは嫌いじゃない。
そしてとにかく安いのが特徴。
同容量のサムスンEVOPlusと比べると、128GBなら1000円、256GBなら2000円、512GBなら5000円程の価格差がある。
上で紹介した128GB、256GB、512GBの他にも、32GB、64GBモデルも販売されている。
ただしこの容量帯なら有名メーカー品とあまり値段が変わらないので、32GB、64GBを買うなら有名メーカー品を選んだほうが良いだろう。数百円の為にチャレンジしたい人は止めはしないが。
規格はUHS-I U3 V30とのことで、4K対応(30MB/秒)を満たしている規格らしい。
ひとつ前の規格MicroSDHCの「Class」でいうところの最高Class 10(10MB/秒)より更に上の性能が出るようだ。
Amazonのレビューを見る限り、公称値である「最大読取速度95MB/s、最大書込速度80MB/s」に近い数字が出ているようで、速度詐欺ということは無さそうだ。
4Kで録画できるアクションカメラ「GoPro HERO5/6/7」でも動作確認が取れているということからも、速度に問題はないことが分かる。
ただし余談だが「DJI osmo Pocket」というアクションカメラとは相性が悪いようで全く使えないようだ。
私も128GBのPhenixを買ってみたので↑のようなUSB3.0対応のカードリーダーを使ってみると、公称値やや低めぐらいの数字が出た。十分に使えるレベルだろう。
PCの性能や使用するUSBの規格によって速度に差が出ることがあるため、USB3.0、UHS-Iに対応したカードリーダを使うのをお忘れなく。
外装は非常に簡素なブリスターパッケージ(パッケージを処分してしまったのでAmazonレビューから拝借)。
パッケージはまあまあありがちなデザインなのにカード本体がチカチカする色使いで何度見てもびっくりする。
写真を見ての通りSDカードへの変換アダプターは付属していないので、必要であれば別途購入する必要がある。
これだけ安いとSSDのようにアレなチップを使ってるんじゃないか?と疑っていたが、Amazonのカスタマーレビューによると「MADE IN TAIWAN」で「PHISONのOEM」ということで、台湾の名の知れたメーカー品であることが分かる。
「それも本当かどうか」まで疑いだすとキリがないのだが...。
まぁ安いには安いだけの理由がある、ということには留意しておいた方が良いだろう。
パッケージにもある「JNH」のロゴの通り、Amazonでは「jhnショップ」という店が「JNH」というブランドで販売している。
そしてその運営会社は「嘉年華株式会社」と記載がある。
運営会社:嘉年華株式会社
代表者:鄭蓬莱
所在地:
113-0023
東京都文京区向丘1-10-2-204B
【返送先:〒1160001 東京都荒川区町屋5-19-3 ひかりビル ECS物流センター(内)嘉年華】
この会社名、10年以上前にニンテンドーDS用のマジコンを弄っていた人間には聞き覚えがある。
というのも当時から主に出所不明(?)の激安SDカードを扱っていたほか、マジコン自体も取り扱っていたのだ。
そして最近まで容量詐欺のSDカードも販売していたらしく、あまり信頼できる販売店ではないと言える。
・・・まぁそもそも中華ショップのサンディスクっていうだけで99%が偽物と疑った方が良いわけで、それに加えてAmazonのマーケットプレイスとなれば役満なわけだが。
jhnショップを運営している嘉年華という会社は何やら怪しい過去があるようだ、ということは分かったが、それじゃあPhenixのMicroSDXCカードをどう評価すればいいのか。
SandiskやSamsungのような大手ブランドの方が信頼性が高いのは言うまでもないが、「値段分の価値があるのか」という観点で見てみるとどうか。
個人的には「この価格帯の製品であることを理解したうえで買うならアリかな」と思っている。
品質でいえばSandiskやSamsungのような一級メーカーがベストで、Transcendのような二次メーカーも十分にアリ、というチョイスになるだろうが、どうしてもコスパを重視したくて、安物リスクを承知で買うのであれば選択肢の一つとして考えてもいいと思う。
パッケージを見てみると「JNH」ロゴのほか、下の方に「発売元:嘉年華」の文字がある。
(またしても画像はAmazonレビューから引用)
つまるところJNHおよびPhenixは嘉年華のオリジナルブランドということになる。
普通なら「怪しい過去がある会社のブランドなんだから怪しいに違いない」と捉えると思うが、個人的には「仕入プロセスの中で偽物が紛れ込むかもしれない出自不明の謎SanDiskと違って、嘉年華がまとめて仕切っている独自ブランドの方が幾分かはマシなのでは」とも考えている。
まぁこれは実際に買ってみてGPD XD PlusやGoProで使えた上、容量や性能詐欺がないことが確認できていることが大きな要因だ。
Amazonのカスタマーレビューでも、そもそも相性が悪くて使えなかった人以外の悪いレビューは見当たらない。
↑数年経って初期不良っぽいレビューが増えているので、ハズレを引くリスクは高めのようだ。あとosmo Pocketで相性が悪いというレビューも目立つ。
そういったことから総合的に判断すると、「大切な用途には使いたくないけど遊びで使う分には安くていいんじゃない?」という評価になる。
もしハズレを引いたとしてもAmazonなら気軽に返品できるので「最悪の場合でも無駄になるのは時間だけ」という考え方ができるのであれば選んでもいいのではないか。
注意して欲しいのだが、あくまでも「偽SanDiskよりはマシ」という話であって、「信頼ならない有象無象のSDカードの中では使えるレベルである」という前提があることは忘れないで欲しい。ある日突然ロットが変わってダメダメになる可能性はあるし、5年保証もどこまで本当かは分からない。
流石に安いからって「イセンスドス デ」「ハララプレス」「スアグドデ」「イ良い日ン マ」を買う気にはならないだろうが、
Phenixは一応レビューもそれなりに高評価だし、試しに買ってみるか~ぐらいの気持ちで買ってみると案外幸せになれる、という代物だ。
(モノだけじゃなくても見た目も)チャイナ感あふれる怪しいもの好きの人にはぜひ試してみてほしい商品である。
しっかしこれでもかというほど怪しい「ハララプレス」を買ってお悔やみレビューしている人がいるのに驚きだなぁ。どう見てもまともに使えない代物だろうに。Amazonは名前の通り未開の地になってしまったんだなぁ...。
訪問者 返信
買わないほうが良い代物ですね。怪しい安物はデータが消える恐れもありますし。
安いのが良いならHidiscやSuneastの方がまだいくらか信頼できると思います。
でもやはり一番はキオクシア(東芝)やSanDiscやTranscendやSiliconPowerですね。
takeru 返信
コメントありがとうございます。
有名ブランドと比べてコスパがよくて性能も値段を考えると悪くない、というのが記事の趣旨ですので、メジャーブランドが一番なのはもちろん同意です。
実際に使用した上での所見を述べると、GoProのような大量データを書き込む機器でも安定して使えていますしデータが消えたこともありません。
個人的には記憶媒体というものは安心と安定をお金で買う商品なので、メジャーブランド以外はどれも同じだと思っています。データ消失を覚悟の上で安く済ましたいのであれば安物も選択肢の一つです。むろん結果は自己責任ですが。