訳あって中国の銀行口座へ送金する機会が時々ある。
以前は手数料が無料ということでPayForexの⼈⺠元送⾦2.0を使用していたが、「手数料無料を謳うサービスは為替換算レートが悪く、結果として高くつく」という情報を目にして計算してみたら確かに高い...。
そこでいくつか似たようなサービスを比較してみたところ、Wise(旧TransferWise)が安かったのでここに登録しようと考えていた。
中国のサービスの方が安いのでは?
一度はWiseに決心したものの、よくよく考えてみると「中国に送金するんだから中国のサービスの方が安いのでは?」と思い、中国語でも検索してみることに。
すると、↑こんな感じで日本在住の中国人向けに「日本から中国へ送金する方法」を紹介しているサイトがいくつか見つかった。
ここで紹介されていたのが熊猫速汇(Panda Remit)というサービスだ。
スマホアプリもあり
Webサイトはオール中国語だが、スマホアプリもあってこっちは英語表記。
個人的には英語の方が幾分かは読み書きができるので助かる。日本人向けのサービスではないので日本語に対応していないのは仕方がない。
後のSTEPでこのアプリをインストールして実際に使ってみたいと思う。
それより、サービスの安全性は?
送金サービスという性質上、何よりも安全性が気になるところ。最安値を狙って詐欺られたら元も子もない。
ということで先ほど紹介したPanda Remitのアプリをインストールして実際に触って確認してみる。
色々とチュートリアル的なものを飛ばしてまずはアカウント設定画面へ移動する。
下部に「N&P JAPAN」というロゴが見える。
このロゴをタッチすると運営会社である「株式会社N&P JAPAN」の情報が表示される。
オレンジのロゴ「QS Remit」というのはこの会社が運用している送金サービス名のようだ。
(こちらは人民元には未対応。中国向けの送金は別サービスとしてPanda Remitを独立させているのだろう)
どんな会社なのか?
先ほどの運営会社情報を上から順に見ていくと、まずきちんと資金移動業登録の番号が記載されており、金融庁が公開している一覧表にも「株式会社N&P JAPAN」という会社名が載っている。
このことから少なくとも実体のない詐欺会社ではないことが分かる。金融庁のお墨付きだ。
ちなみに資金移動業の登録がされている場合、
資金移動業者は、利用者から預かった資金と同額以上の額を供託等によって保全する義務を負います(法第43条)。資金移動業者が万一破綻した場合には、利用者は、財務局の還付手続により、供託等によって保全されている資産から、弁済を受けることができます(法第59条)。
一般社団法人日本資金決済業協会|資金移動業についてよくあるご質問【質問・回答】
ということで、もし会社がなくなっても供託金から弁済を受けることができるようだ。少し安心できる。
住所を確認
次に住所だが、ハイツの一室ではあるものの一応日本の住所が書かれている。
Googleマップで確認すると、2階にそれっぽい部屋と先ほどの「QS Remit」のロゴ看板を確認することができた。
(1階の両替屋?との関係は不明)
中の様子を窺うことはできないが、事務所が実在することは確かだ。
会社規模
更にネットを検索してみると、JOB博というサイト上に採用情報が掲載されているのを見つけた。
従業員が20人で資本金が6000万円あるようで、それなりの規模の会社であることも伺える。
住所などの情報はQS RemitのWebサイトとも一致する。
やはり存在の怪しい闇の企業ではなく、しっかりとした会社であることが確認できた。
これなら一応は信用してもよさそうだ(特に金融庁のリストに載っていることが大きい)。
どれぐらいお得か
ということで、話戻ってPanda Remitがどれだけお得か比較してみた。
比較対象はこれまでに紹介したPayForexとWise。
PayForexが30万円までということなので30万円分を送金する想定で計算してみた。
PayForex:16592元
Wise:17385.15元
Panda Remit:17550.9元
上が計算した結果だ。レートを合わせるため同じ時間にスクショを取っている。
(肝心のPanda Remitの額を一桁間違えているが...)Panda Remitが最も高い17550.9元になることが分かる。
※検証当日のレートがいくらだったかまでは覚えていないため、気になる方は各サービスのサイトに飛んで実際に確認してみてほしい。
日本語でネット検索してみた限りではWiseが最強だと思っていたので、さらに安いサービスがあることには驚いた。
アカウントを登録してみる
それではアカウントの登録作業に移る。
Google Playストアからアプリをインストールして起動すると、プライバシーポリシーへの同意やアプリの簡単な紹介の画面が出るため適当にスキップする。
↑この画面になったら一番右下のアイコンをタッチする。
すると↑アカウント管理画面が表示されるので、中央の黒い背景「Preparation」または緑の「Complete」ボタンをタッチする。
次に電話番号を入力して認証コードを入力する画面が出るので、使用しているスマホの電話番号を入力して認証コードを受け取り、画面に入力する。
すると「Hi~ Welcome Back」と書いてあったアカウント名が登録した電話番号になる。これでアカウント登録は完了。
送金者(自分)の情報を登録
次に行うのが送金者(自分)の情報登録。
またアカウント管理画面を開き、黒い背景「Preparation」または緑の「Complete」ボタンをタッチすると、今度は送金者情報入力画面が出る。
↑を参考に名前や国籍、職業や電話番号などを入力し「Next」を選択する。
マイナンバーカードによる本人確認
次に必要なのが本人確認。
3つの中から本人確認に使用したいカードを選択する。
私は一番上のマイナンバーカードを選択した。その他の2つを選択した場合にどうなるかは不明。
↑のような写真撮影の画面に遷移するので緑の「Take the photo」をタッチして次の画面に進む。
↑撮影画面は下記のとおり。
白い枠にマイナンバーカード(顔写真がある面)を捉えて写真を撮る。
撮り終わったら次は裏面を撮影。
その次は斜めからマイナンバーカードの厚みが分かるように撮影。
そして最後にマイナンバーカードを顔写真の面が見えるように手で持って自撮りを撮影したら本人確認の申請は完了だ。
黒い背景「Preparation」だったところが「Pending」になり、会社側の確認待ちになる。
本人確認は失敗してもやり直せる
本人確認に失敗した場合、アプリ起動時にお知らせが表示される。
↑このように撮った写真が表示され、下のオレンジ色のところに中国語で「なぜ失敗したか」が表示される。
この例では「マイナンバーカードを手に持って自撮りを撮る」必要があることに気づかず、顔写真だけで送ってしまったからだろう。
左下の「Re-take」ボタンをタッチして再度撮りなおせばまた再確認してもらえる。
本人確認の電話
マイナンバーカードと自撮りのチェックが完了すると、アカウント登録時に入力した電話番号に会社から本人確認の電話がかかってくる。
東京03の着信履歴がありちょっと訝しんだが、よくよく確認してみるとQS RemitのWebサイトに掲載されている電話番号だった。
折り返し電話したところ、いきなり「你好,有什么事?(どのようなご用件でしょうか)」と中国語で応答があり驚いたが、すぐ「もしもし」と日本語に切り替えてくれた。
スタッフは中国人のようだが日本語でのコミュニケーションは問題なし。全部中国語でやり取りしなければならないのかとドキッとしてしまった...。
確認内容
電話口では生年月日や住所、送金の目的、送金先との間柄、あとは「相手には実際に会ったことがあるか」と聞かれた。おそらく詐欺防止目的だろう。
必要事項の確認が終わると「すぐアプリ上で送金できるようになりますよ」と案内され、電話を切った。
程なくして登録が完了した旨のSMSが届いた。
アプリにログインしてみるとユーザー名が電話番号から本名に変わっており、その下に「Verified」の文字が表示された。
無事会員登録と本人確認が完了した。
第一関門は突破!
送金サービスは特性上どうしても本人確認に手間がかかりがちなので、ひとまず本人確認が終わったところで一息つくことに。
次はアプリ上で送金先を登録し、実際に送金してみたいと思う。近日中にトライするのでまた手順を紹介したい。
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