色々あって中国人との結婚手続きと配偶者ビザ申請をすることになりました。
詳細は省きますが...まぁそういうことです。
日本人同士の結婚であれば、極端な話「婚姻届けを出せば終わり」のところ、外国人との結婚手続きはめちゃくちゃ大変だったので記録として残しておきます。
なお、今回は訳あって自力でやりましたが、行政書士に頼めば10万円~ぐらいでやってもらえるようです。お金で時間を買える人は買った方がいいかも。
コンピューター、プログラミング、モバイル、ガジェットなどエレクトロニクス分野を中心にネタを提供するウェブサイトです。最近は中国ネタにも注力中。かつてはHWD15向けのAndroidアプリ「HWD15 Status Notifier」を作ってたりしていました。
色々あって中国人との結婚手続きと配偶者ビザ申請をすることになりました。
詳細は省きますが...まぁそういうことです。
日本人同士の結婚であれば、極端な話「婚姻届けを出せば終わり」のところ、外国人との結婚手続きはめちゃくちゃ大変だったので記録として残しておきます。
なお、今回は訳あって自力でやりましたが、行政書士に頼めば10万円~ぐらいでやってもらえるようです。お金で時間を買える人は買った方がいいかも。
「そろそろ結婚しますか」となったらまず決めるのが「日本と中国どちらで先に婚姻届を出すか」。
このへんはWeb上にも情報が多いので簡単に書くと、
※これは「外国人と結婚する際、どちらの国の法律が適用されるのか」の話で、簡単に言えば「日本はお互い自国の法律を適用」「中国は婚姻届出をした国の法律を適用」というルールの差があるため、先に日本で届出さえしてしまえば中国側の法律はスルーできるからだと思っています。
ちなみにうちは結婚証が欲しかったので先に中国で婚姻届出をしました。
というのも、日本で先に届け出をするとその後に中国側で届出する時に困ることがあると記載があったから(先に日本で届出した方が楽なんじゃなかったのかよ、とは思いますが)。
婚姻手続きの順序としては、本来、日本と中国のどちらが先でも法律上問題になることはありませんが、日本側の手続きを先に行うと、中国側の結婚登記の際に届けを受け付けてもらえなくなることがあり、下記のような点に注意が必要です。
中国側へ婚姻届をしようとする場合、婚姻登記機関から「独身証明」を要求されます。日本側への婚姻手続きをまだ行っていない場合は、日本政府発行の「独身証明」を取得することが可能ですが、既に日本側の手続きが済んでいる場合は、日本政府は「独身証明」を発行することは出来ません。
一方、中国の末端機関では、たとえ婚姻相手が同一人物であっても、「独身証明を出せないのなら、独身とはみなされない」として、手続きが進まないケースも散見されます。
ということで、まずは中国での婚姻届出に必要な書類を揃えます。
配偶者の居住地にあわせて在重慶日本国総領事館のページを参考にしました。
日本人側:
中国人側:
要注意なのが「重慶市・四川省の場合」という記載。省によって必要書類が違うらしいので、届出先地域の情報をチェックしておきましょう。
あとネット上の情報は古いこともあるので注意。「健康診断書が必要」と書いているサイトもありましたが、最終的には上記の書類だけでOKでした。
(むかーーしは結婚前に健康診断が必要だったらしい。子供が生めるかどうかが重要ポイントなので、結婚前に確かめる意味合いがあったそうな)
必要書類なかで通称「独身証明書」がちょっと厄介で、日本国内で発行してもらう場合は
市役所で独身証明書発行➡日本語訳を作る➡日本外務省の認証を受ける➡中国ビザセンターで中国領事の認証を受ける※➡発行後3か月以内に婚姻届出
という流れになります。認証って何?超めんどくさいです。
もう一つ方法があって、
中国にある日本領事館で独身証明書発行(認証不要!)➡発行後3か月以内に婚姻届出
という流れ。超簡単。日本の領事が発行する文書は初めから正式文書として認められるわけですね。
ということで、現地に行って独身証明書をもらう➡その足で婚姻届出、という流れに決定。
ちなみに現地の領事館で独身証明書を発行してもらう場合は下記が必要です(重慶の場合)。
日本人側:
中国人側
戸籍謄本が必要になるので用意しておきましょう。
上記必要書類を持って中国に渡航します。
最近はビザなし渡航ができないので、トランジットビザ免除措置を利用して渡航しました。
(婚姻後は2年/180日のQ2ビザが貰えるからだいぶ楽になるよ!)
配偶者にも身分証と戸口簿持参で来てもらい、一緒に在重慶日本国総領事館へ行きました。
なかなか立派なビルに入っていて、まず一階の受付で身分証を提示して通行カードをもらい、エレベーターに乗って領事館があるフロアまで移動。
領事館の受付で名前を書き、金属探知機を通ったらスマホやカメラ類をロッカー預けて(厳重!)ようやく窓口へ。
窓口で申請書を書き、必要書類を渡して30分ほど待つと独身証明書がもらえました。費用は60元。
他に来訪者はおらず警備員が暇そうにしていたのが印象的でした。
必要書類が揃ったので婚姻届出に向かいます。
重慶市内で婚姻届出ができる窓口はいくつかあるのですが、外国人との婚姻を受け付けているのは一か所だけでした。
中国あるある「外国人はダメ」これ意外とひっかかる罠なので注意してください。事前確認たいせつ。
先に婚姻センターの窓口で資料で足りるかどうか確認してもらうと「資料はOK、後は写真だけね」とのこと。近くの写真屋を案内してもらい、写真を撮りました。
手続き自体は窓口の人が優しく教えてくれたので問題なし。
結婚証を受け取った後は写真撮影もしてくれたのでイベントとしてはなかなか良いものでした。
よし婚姻届出も無事終わったし帰ろう、ではありません。
中国で婚姻届出をした後、日本に帰ったら日本の市役所でも婚姻届出が必要になります。
それには中国側で発行した結婚証明書、国籍証明書(場合によっては出生証明書も)が必要になるので、これを貰いに公証処に行きます。
※可能なら先に日本の市役所に「外国人との婚姻届出には何が必要か」を問い合わせておくと安心です。
※結婚後に配偶者を日本に連れてくる場合は、配偶者ビザの申請でも必要になるので必ず2部ずつ発行してもらいましょう。
申請時に一緒に日本語訳もお願いしたので即日発行できず、後日郵送となったのでちょっと時間がかかりました。
(誰が翻訳してもいいらしい...そのまま持ち帰って自分で翻訳すればよかったと後悔..)
日本に帰ってきたら、市役所で婚姻届出をします。
必要書類は
でした。役所によって違うかもれしないので確認しておきましょう。
外国人との婚姻届の書き方はここやここなどネット上の情報を頼りに書きましたが「報告的届出の場合は証人は不要」という記載を信じて空欄で持っていったら「証人は必須です」と突き返されたのでちょっと焦りました。婚姻届の書き方は全国共通じゃないの...?
他にも色々あって時間がかかってしまい、結局24時間対応の夜間窓口に持っていく羽目に。
市役所の窓口は平日しか空いてないけど、婚姻届はいつでも提出できるのは知りませんでした。市によって違うかもだけど。
婚姻届出が終わり晴れて夫婦に!なんて喜んでいる暇もなく、次は配偶者ビザ申請の準備をします。
これがまぁ面倒くさい手続きでして。全体の流れはこちらが参考になります。
まずは「在留資格認定証明書交付申請」をします。
外国人を日本に呼ぶために短期滞在ビザ申請をしたことがある人はイメージしやすいと思いますが、短期ビザだとざっくり
という流れなんですよね。
ただ、配偶者ビザの場合は資料が膨大で現地の日本領事館で内容を確認しきれないから、先に日本の入管がチェックして「この人はOKだよ」の証明書を発行してもらい、それを向こうに郵送して現地でビザ申請→現地の日本領事館がビザを発行する、という流れになります。
在留資格認定証明申請に必要な書類は入管のWebサイトに書いてあります。
詳細はネット上にたくさんありますので適宜調べてほしいのですが、私は主にここを参考にしました。
いくつかつまずいた点を補足しておきます。
そもそも配偶者の証明写真を撮ってなくて困りました(本人がまだ日本にいないので)。
現地の写真屋で撮ってデータを送ってもらい、こちらでピクチャンなどの印刷サービスを使って証明写真サイズに出力しました。
ここでは結婚証明書としか書いてありませんが、公証処で取っておいた国籍証明書も一緒に提出しました。
万が一、後で追加提出を求められてもすぐに用意できない書類なのでフルセット用意しておいた方が無難です。
市役所で発行してもらった住民税の課税(又は非課税)証明書と納税証明書でいいみたいですが、銀行の残高証明書と証券会社Webの残高ページを印刷したものを添付しました。あと会社にお願いして在職証明書も作ってもらいました(金がある、仕事があることをアピール)。
何でこの資料はPDFしかないの?手書きしろってこと...?
いいえ、PDFからWordに変換してくれるサービスを使ってWord化して、パソコンで記入しましょう。手書きとかムリゲー。
これもPDFしかないのでWord化。デザインが崩れたりする場合は他の変換サービスを試してみましょう。
この質問書が一番の強敵。基本的には書き方を紹介しているサイトを見ながら記入します。
渡航歴とか具体的な日付が必要になるので過去のメールや航空券の予約履歴を確認するのが大変でした。
(基本的にGmailを使っているので、検索しやすかったのが救い)
あと申請理由書は必ず別途作成しましょう。これが一番大事。
貴方達が出会ってから今に至るまでのラブストーリーをしたためて、配偶者ビザを勝ち取ってください。
過去の写真をかき集めて、A4の普通紙に4~6枚ずつぐらいカラー印刷しました。
ツーショット写真が案外少なくていい写真を選別するのに苦労しました。
(写真もGoogleフォトに全部アップしていたので、後で日付や場所を検索しやすかったのが救い)
あとはメッセージアプリの履歴をスクショ撮りまくって印刷。これも過去の投稿を遡るのが結構大変です。
こちらを参考にしました。貼り付ける切手の金額は必ず再確認しましょう(情報サイトに書いてある金額は古いことが多い)。
参考として現時点では定形郵便物(25g以内)84円+簡易書留料350円=434円ですが、これも古くなっている可能性があります。必ず再確認してください。
入管のサイトに「可能な場合には申請時に旅券(パスポート)の写しを併せて御提出ください。」とあったので、配偶者のパスポートのコピーも添付しました。また、日本渡航歴の証明としてスタンプ(ビザ)のページもスキャンしてもらい、こちらで印刷したものを添付しました。
資料が揃ったら最寄りの入管に持っていきます。
平日しか受け付けていないため親に持って行ってもらいました(外国人配偶者を基準に姻族三親等まで申請人になれる)。
※申請書類を提出する方の身分を証明する文書(戸籍謄本等)の提示が必要です。
ネットには1~3か月ぐらいかかると書いてありましたが、窓口で「1か月経って音沙汰がなければ確認の電話をしてください」と言われたそうなので、1か月以内には終わると思っていいでしょう(場所や時期にもよるでしょうけど)。
私の場合、一か月になる2日前になってもまだ来ないので辛抱たまらず入管に電話したら「まだ一か月経っていませんけど」と役所らしい無機質な感じであしらわれました。もうほぼ一か月なんだからそんな言い方しなくても...(結局一か月と1日で届きました)
割と厚めの紙で、二つ折りになって封筒に入っていました。
ネット情報だと初回は1年間と書いてありましたが、3yearsの表記を見てちょっと嬉しくなりました(頑張って資料を作った甲斐があった!)。
届いた在留資格認定証明書を中国にいる配偶者に郵送し、ビザ申請をしてもらいます。
中国側で配偶者ビザ申請に必要な書類は以下のとおりです。日本大使館のページを参考にしました。
(a)査証申請書(ダウンロード)(写真貼付 縦4.5cm×横3.5cm、背景は白、1枚、6か月以内に撮影したもの)
(b)旅券
(c)戸口簿写し
(d)居住証等の居住証明書(当館管轄地域内に本籍を有しない場合のみ)
(e)在留資格認定証明書(原本)またはその写し家族滞在、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 婚姻調査表
(注)婚姻同居を目的に在留資格認定証明書を取得された場合は、婚姻調査表を記載願います。
内容的には想定通り...と思ったら「婚姻調査表」というものが。なにこれ。
PDFをダウンロードして中身を見てみると、在留資格認定証明申請で書いた8.質問書の中国語簡易版のような内容でした。
これもWord化して入力していきましたが、最後の項目「双方认识的经过(尽可能详细说明,如本栏不够可使用背面)」が頭を悩ませました。
「二人の知り合った経緯をできるだけ詳しく」とのことで、内容としては8.質問書の申請理由書と同じことを書けばいいのですが、中国語で書かないといけないっぽいのがなかなか難しい。
自分で書くのはしんどかったので、申請理由書を配偶者に送ってその内容をベースに中国語で記載してもらいました。
あとは現地の代理機関にビザ申請してもらい、配偶者ビザの貼られたパスポートを持って来日すればOKです。
ちなみにこの婚姻調査票が必要なのは中国だけらしいです。どんだけ疑われんねーん!
中国は主要国の中で唯一、査証申請時に婚姻調査票の提出を求められる国であり、当局が配偶者ビザの審査に慎重な姿勢であることが分かります
中国人による配偶者ビザ(結婚ビザ)申請方法Ⅲ
ちなみにこの後、12月になって年末調整の手続きをしたのですが、配偶者控除の手続きもなかなか面倒くさかったです。
配偶者や子供などの扶養家族が国外にいる場合でも「国外居住親族」として扶養控除の対象になるのですが、親族関係書類や送金証明書が必要になる上、各種申告書の書き方も日本人の場合と異なっていました。
(詳細は金融庁のページ参照)
でした。金融庁Q&A(PDF)では
①戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
と定義されているのですが、これは日本人向けの案内です。罠です。
そこに書いてある通りに戸籍の附票の写しを取得しても、私の名前しか載っていない紙切れが手に入るだけです。それで親族(婚姻)関係を証明することはできません。
外国人と結婚した場合、戸籍謄本に外国人配偶者の欄は作られず、私の「身分事項」欄に配偶者の名前が追記されるだけです。
(外国人は日本の戸籍を持たないので、これは仕方がないのですが...)
そして戸籍の附票の写しには戸籍構成員の名前と住所しか印字されないらしく、結果として私の名前と住所だけが記載された紙切れが手に入るというわけです。なんじゃそりゃ。
というか、金融庁は何故わざわざマイナーな戸籍の附票の写しを指定するのかが謎。親族関係証明といえば戸籍謄本が基本だし、こっちなら間違えようがないのに...。
このように、婚姻届出から始まって手続き関係は何から何まで例外ケースに入ってしまうので、なかなか思うように手続きが進められません。
国際結婚の宿命なので仕方がないのですが、余計なことにリソースを取られるのがつらいですね。
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