下記記事の続き。7月末に中国南京を訪れた際のお話。
今回もAirbnbで予約
部屋に洗濯機やキッチンがあるし連泊しても邪魔が入らないので、今回もAirbnbで宿を検索。
予約前に何件かに「臨時宿泊登記について協力してくれるか?」と尋ねたものの皆に断られた。
何となくだが、南京では臨時宿泊登記はあまり一般的でなく、暗黙の了解でスルーされているのかもしれない。
けど、個人的にはどんな事情があろうと違法状態で中国に滞在するのは避けたい。
何とかして登録したい...と思ってたら、こちらのサイトでWeChatで申請できるとの情報をゲット。
早速WeChatで南京公安を検索・追加して申請フォームを確認。大丈夫そうだ。
南京着~臨時宿泊登記の申請
宿に着いてAirbnbホストから鍵を受け取った後、早速WeChatで申請してみた。
「境外人員臨時住宿登記」を選択し、「本人申請」「外国人」を選択。
氏名やパスポートNo、顔写真やパスポート写真、スタンプのページなどを送信。
宿の所有者の資料については必須ではなかったため省略して送信した。
結果通知とホストとのやり取り
送信して1時間ほどしたらWeChatに結果通知が来た。
無慈悲な失敗通知。理由は「申請範囲外」という意味不明な答え。こりゃ困った。
宿の所有者の資料を省略したのがダメだったのかな...と思いホストとやり取りするも、「範囲外って書いてあるし、そんなの申請する必要ないんじゃない?」と言われる始末。
そっちは良くてもこっちは死活問題なんやぞ...と思いながらやり取りしていると、突然強烈なノックが聞こえてきた。
南京公安の登場
この週の南京は40度に達した日もあった程の猛暑日。
上半身裸で涼んでた自分は驚きながら服を着る...間も強烈なノックが続く。適当に「ハーイ」とか「エーイ」みたいな返事して時間を稼ぎながら服を着てドアを開けると、まさかの公安登場!
公安のおじ...おにいさん。こっそり盗撮したのだが、案の定バレて誤魔化すのが大変だった。
公安おじとのやり取り
以下に公安とのやり取りをできるだけ詳細に思い出してみた。
基本中国語だが、一部英語を使ってコミュニケーションを試みたシーンもある。ここではすべて日本語にしている。
①ドアを開ければ公安だと一目で分かったため、すぐに部屋に招き入れ(※)先ほどのWeChatの申請失敗画面を見せた。念のため、と公安おじはスマホで私の画面を撮影した。
②私のパスポートを確認。入出国日や入国目的などを聞かれたため回答。
③おじが電話を始めたので盗撮(上の写真)。電話後に「今写真を撮ったのか」と問い詰められたが即座にTrip.comの画面を出し「違う、このappを見ていたんだ」と旅程を見せた。一緒に画面を見ながら南京への入国日や次の旅程などを改めて説明することで盗撮のことを有耶無耶にすることに成功。
④テーブルの上に置いていた正門の鍵を指さし「ここの鍵はどうやって開けたんだ?これは門の鍵か?」と聞かれたため、「これは正門の鍵だ、玄関はこっち」と言いながら玄関のキーパッドとWeChatでホスト送られてきたパスワードを見せた。
⑤WeChatの画面を指さし「この人は誰だ」聞かれたが「Airbnb(民泊)のホストだ」と説明が出来るほどの中国語力を持ち合わせておらず、ちょっとヤバい雰囲気に。
⑥公安おじがまた電話。その後「私の英語は上手じゃないね」などと談笑。公安おじの笑顔が見えてちょっと安心した記憶。
⑦気づいたら応援が3人増えていた。さっきの電話で呼んだのか。男女の公安1人ずつが外で見張り、黒服で長髪のカメラマンが一眼レフと長いスタビライザーを持ってきて部屋の中を撮影し始めた。
⑧ホストに「臨時宿泊登記については問題なくなったよ安心して。警察が来てくれたから。」と嫌味メッセージを送ったらずいぶん驚いた様子で「今すぐ電話させろ」と言ってきた。
⑧公安おじに「電話したいらしいが?」と伝えるも「要らん」と言われたためその通り伝える。
⑨再度「電話させろ」と煩いのでWeChatで通話。一言目に「違法なものはないよな?」と聞いてくるのは流石に無礼ではないかの。
⑩「彼らは何をしている?問題ないよな?」と聞いてくるので「写真を撮ってるだけだ。部屋とパスポートの写真」と回答。おじにも「問題はないよな?」と聞いて「問題ない」と回答を貰ったのでその通り伝える。
⑪ホストが「直接話をさせろ」と煩いのでおじにスマホを渡す。何やらやり取りした後、ホストが電話番号を教えたようだ。後は直接やり取りしてくれ。
⑫カメラマンが私の写真を取ると言ってきた。おじが私のパスポートを持ち、私がおにぃの正面に立ち、二人で記念撮影。正面からではなくカメラを高く上げて斜め上から撮影。更にパスポートを閉じた写真と開いた写真の二枚を撮影し、公安たちは帰って行った。
⑬しばらくしてホストから「公安が電話番号を知りたいらしい」と連絡が来たので「日本の電話番号しかないけどいいか?」と言いながら教えた。ホストは「いつでも連絡できるようにするため」と言っていたが、多分書類に書くためだけだから実際に連絡は来ないだろう(実際来なかった、というか電話受けられないからかけても無駄だ)。
⑭ホスト曰く「通常のプロセスのようだから問題はないだろう」とのことで本件は終了。今思い出したら申請の控え貰ってねぇ!大丈夫かよ...。
(※)後々現地の友人から「相手を確認もせずにドアを開けるなんて危険すぎる」と叱られた。ホストが来てくれたんだと思い込んで開けてしまったのだ。これには何も言い返せなかった。
どっと疲れたわ...
西安で申請したときは15分ほどで終わったのに...一体何なんだ南京。ホストも非協力的だし。
そういえばAirbnbで宿を探すときに「この辺りは観光地で警察は24時間体制を取っており大変安全です」とか書いてたな。そらわざわざ訪問までしてくれるわけだ。結構なことで。
その割には地下鉄の安全検査では液体のチェック無し、空港での防爆検査も無くて(個人的には楽だったけど)西安や重慶と比べて警備が緩いな~という印象だった。
まぁ何というか、いろいろ不幸が重なってこうなったと言わざるを得ないのだがどっと疲れた。(自分では気づいていないだけで私自身の瑕疵もあるんだろうけど)
ということで
やはり中国でAirbnbを使う場合はホストが臨時宿泊登記に協力的であることが非常に重要だ。
「みんなやってないから大丈夫」はあまり信じない方がいい。法律に「入国後24時間以内に申請しろ」と定められている以上、それを無視すればいざ難癖付けられた時に言い返す材料が無いからだ。
中国語がペラペラな人なら言いくるめられるのかもしれないが、そうでない自分としては自分の身を守るためにも後ろ暗い要素は極力無くしたい。
あと、何だかんだ最低限の意思疎通ができるレベルには中国語を勉強しておいてよかったな、と感じた面もある。今回何とか窮地を乗り越えたことで語学学習への自信にもなったし、悪いことばかりでもなかった。こんなのは二度とごめんだけど。
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